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2024.11.28
Specialpage【vol.15】
パンツに書いたラブレター
ーー今回は11月28日に発売された、ワコールさんとのコラボアイテムのお話をお願いしたいです。ワコールって女性用下着のイメージなんですけど、メンズもあるんですね。
辻󠄀 10年ぐらい前から「WACOAL MEN」っていうブランドで、男性用の下着もつくってはる。
ーー老舗の会社なんですか?
德田 昭和21年創業。西暦だと1946年かな。日本で初めてブラジャーをつくった会社なのよ。
ーー下着メーカーさんと、どういうきっかけでコラボすることになったんですか?
辻󠄀 昔ね、何かの雑誌で「愛用してるアンダーウェアを教えてください」みたいな企画があって。みんなラルフローレンとかカルバンクラインとか、ほとんどの人が海外ブランドを書いてるなかで、うちのショップのスタッフだけがワコールの「気持ちいいパンツ」って書いてて。
ーーまさかの国内ブランド。
辻󠄀 名前も正直、ちょっとダサいし(笑)、「そんなにいいん?」って聞いたら、「めちゃくちゃいいです!」って、自信満々に言うのよ。
ーーそこまで言われたら穿いてみたくなりますよね。
辻󠄀 そう。で、試しに1枚買って穿いてみたら、めちゃくちゃ良かってん(笑)。
ーーどういうところが良かったんですか?
辻󠄀 まずね、その頃、ボクちょうど子供のソフトボールのコーチしてたんですけど、夏に綿のパンツって、めちゃくちゃ暑いんです。汗でベチャベチャなるしね。もちろん、スポーツ用のも穿いたりしたけど、ウエストのゴムがちょっとキツかったりして、どこかシックリこなかったんです。
ーー下着って直接肌に触れるものなので、自分に合うのを見つけるのは、なかなか難しいですよね。
辻󠄀 そやねん。で、試しに気持ちいいパンツを穿いてみたら、ものスゴい軽快やってん。ズレないし、上がってこないし、ほとんど蒸れないし。
ーー素材は何でしょう?
辻󠄀 合繊。ナイロン75%、ポリエステル25%の。
ーー綿の方が蒸れなさそうなイメージですけどね。
辻󠄀 そう思うやろ。それが蒸れへんねん。ほんとに目から鱗やったもん。こんなに軽快なパンツが世の中にあるんや。これは素晴らしい! って素直に思ったから。
ーー「気持ちいいパンツ」の名に偽りなしだったんですね。
辻󠄀 恐れ入りました(笑)。それでね、こんなに素晴らしいものがあるんやったら、是非ブルーナボインの直営店で扱いたいって思ったんですけど…。
ーーけど?
辻󠄀 ワコールさんに「扱わせてもらえませんか」ってアプローチしたら、「無理です」って言われて。
ーーどうしてですか?
辻󠄀 百貨店みたいな大型店舗にしか卸してないって。もうこれは普通にアタックしてもアカンな、と。で、ワコールのパンツに対する思いを、手紙に書こうということになって。まあラブレターです(笑)。
ーー誰宛にですか?
辻󠄀 会長さんと社長さん、ワコールの(笑)。
ーーえーーー! ホントに書いたんですか?
辻󠄀 書いた(笑)。そしたら営業担当の人から、すぐに電話掛かってきた(笑)。
ーー何てですか?
辻󠄀 会長さんか社長さんかに呼ばれて、「ユーザーさんからこんなお手紙をいただいたけど、なんで卸さないんや」って怒られましたって。
ーー本来なら、そういう想いを持った店に扱ってもらうのが一番ですもんね。
辻󠄀 まあでも仕方ないけどね。向かうからしたらうちなんて、何の実績もない、どこの馬の骨かもわからん小売店やもん。
ーーそれで取り扱えるようになったんですか?
辻󠄀 まずはポップアップからやりましょかってことになって、直営店でやらせていただいてね。そのときはボクもユーザー代表として店頭に立って接客したんですけど、やっぱりお客様も半信半疑なのよ。ボクもはじめはそうやったし。
ーーパンツは試着できませんもんね。
辻󠄀 そうなんです。そのときボクはもう自分の下着を全部ワコールに替えてたのよ。それぐらい良かったから。その想いを店頭で必死に伝えたんです。そしたら、まあ一回穿いてみるわって買ってくれはったお客さんが、次の日にまた追加で買いに来るっていう現象が続出してん。
ーーほんとに良かったんですね。
辻󠄀 それで何回かポップアップさせてもらって、ブルーナボインっていままでいろんな柄をいっぱいつくってきてるでしょ。その柄をつかってコラボできないかなって話をしてたら、うちの営業担当が話をまとめてくれたんです。
ーーどの柄でやったんですか?
辻󠄀 アミグルミーズカモ。あみぐるみがいっぱい集まった迷彩柄の。オリーブ系とネービー系の2色展開。
はじめて見る人にも分かりやすく伝わる様に”ぬいぐるみカモ”という名にしています
ーーブルーナボインの各店で販売するんですか?
辻󠄀 直営はもちろん、うちのお取引先店舗と、あとはワコールさんの販売ルートでも扱っていただけるみたいで。
德田 直営店とブルーナボインのお取引先店舗は11月28日発売だけど、ワコールさんのルートは発売日が多少ずれる店舗もあるそうなので、そこはご了承ください。
辻󠄀 ボク、ちょうどいまパンツを買い換えようと思ってたタイミングなのよ。だからもう嬉しくて!!(笑)。
ーーそんなにいいんですか?
辻󠄀 いいんです! 太もも辺りのフィット感とか、もう穿いてるって感じがないぐらい素晴らしい。うちの営業スタッフが言うててんけど、そのコも普段はワコールばっかり穿いてて、出張のときに久しぶりにコンビニで買ったパンツ穿いたら、その日は1日中違和感あったって。
ーーボクもなんか欲しくなってきました(笑)。
辻󠄀 是非! ほんまにいいから。あとスゴいのが、ワコールのメンズ部隊のデザイナーさんって、女性の方なのよ。
ーーえ、それはビックリですね。そんなことってよくあるんですか?
辻󠄀 いや、ないんちゃう。穿き心地もわからへんしね。だから社員さんに何回も試着してもらって、ダメ出ししてもらって、何回も何回も試作を重ねて、やっとできたって言うてはった。やらしい意味じゃなくて、男の人の股間とかついつい見てしまうって言うてはったもん。どうしたら収まりが良くなるかとか、まだまだ改良できるとこあるんちゃうかって。
德田 デザイナーの鏡やね。
辻󠄀 ボクらでも、アンダーウェアつくろうと思ったらつくれると思うねん。でも、ワコールのパンツの完成度を見せられたら、つくる気にならへんわ。それぐらい他のパンツとは違う。
ーーちょっと褒めすぎじゃないですか。信憑性なくなりますよ(笑)。
辻󠄀 確かに言い過ぎたらアカンと思うけど、そんな手放しでいいと思えるものに出会うことって、滅多にないやん。例えばリーバイスのXXとかって、確かにいいけど、それは物語があったり、希少価値があったりする部分も多いからね。ワコールの気持ちいいパンツは、唯々道具として最高。素晴らしい!
ーー他に同じぐらい素晴らしいと思ったものって、最近何かありましたか?
辻󠄀 うーん、あったかな…。あっ、BRAUNの電動歯ブラシは良かった(笑)。でもやっぱり、気持ちいいパンツの方が勝つわ。
德田 今回のコラボは、ワコールの女性社員さんにも好評なんだって。
ーークリスマスプレゼントにも良さそうですよね。
辻󠄀 ジャストタイミングやね。
德田 私も買うよ。
ーーえ、穿くんですか?
德田 息子にプレゼントね(笑)。見えないところにこだわりを持つって、やっぱりいいからね。テンションも上がるし。
ーーでも、アンダーウェアにこだわりある人って意外と少ないですよね。
德田 だからそういう人にこそ、いっかい穿いてみて欲しいよね。普段は当たり前に身につけてるものの方が、いいものってわかりやすいのよ。え、こんなに違うの!? ってなると思うから。
辻󠄀 発売日の11月28日からは、直営店でワコールさんのちょっとしたポップアップも開催しております!
ーーどんな感じでですか?
辻󠄀 コラボのパンツはもちろんですけど、ワコール定番カラーの気持ちいいパンツなんかもラインナップしております。
ーー楽しみですね。
辻󠄀 まあ結論を言わせていただくと、ボクの中では世界一のパンツ。最高っす。
ーー単刀直入ですね(笑)。
辻󠄀 もうそれしか言葉が出てこないのよ。本当に好きな人がいたとして、「あのコのどこ好きなん?」って聞かれても答えられへんやん。それと同じ。好きなもんは好き。それしかないのよ。