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2025.05.29

Specialpage【vol.20】

パンツは試着するべし。
そして、まさかの大試着会へ!?

ーー今日はブルーナボインのパンツについて、お話をしていただこうと思ってるんですけど。

德田 パンツに関してはね、「ブルーナボイン=柄物」っていうイメージが、どうも皆さん強いみたいで。全体で見たらそこまで多くはないんだけどね。

辻󠄀 いや、他のメーカーさんと比べたら、やっぱり多いんちゃうかな。

ーーメンズのパンツではあんまり見ないようなインパクトのある柄が多いので、どうしてもそっちの印象が強くなっちゃうのかもしれませんね。

德田 それは確かにあるかもね。柄物のパンツを穿くことのカッコよさとか潔さは、ずっと追求してきたから。

ーー毎シーズン何かひとつは、印象に残る柄がありますよね。

辻󠄀 いや、ひとつじゃ効かへんのちゃう(笑)。

德田 そうね。花柄とか総柄とかいろいろあるもんね。春夏だとここ何年かは、アロハシャツとお揃いの柄のパンツをセットアップでつくってるし。

辻󠄀 今年はショートパンツをつくりました。

ーールックのスタイリングにもありましたね。

德田 アロハの柄のセットアップって、スゴく美しいでしょ。

ーーでも、なかなかやってるブランドさんないじゃないですか。ブルーナボインは、どうしてアロハのセットアップをつくろうと思ったんですか?

辻󠄀 ブランドネームなくなったら、どこのかわからんような服っていっぱいあるやん。

ーーまあ…ありますね(笑)。

辻󠄀 嫌なんよ、そんな服つくるのが(笑)。

ーー確かにブルーナボインのパンツって、柄も然りなんですけど、シルエットとか素材感にも独特というか、唯一無二の存在感がありますよね。

辻󠄀 そういう風に見てくれたらいいねんけど、うちの服着たらコスプレイヤーみたいに見えるって、たまに言われたりするから(笑)。

ーーえ、そうなんですか!?

辻󠄀 言われるよ。でも、ボクから見たら、いまのファッションの方がコスプレやと思うけど(笑)。

ーーどのあたりがですか?

辻󠄀 例えばヴィンテージとかリプロダクトのデニムをセットアップで着てたりさ、みんな同じカッコしてるやん。

ーー確かにしてる人多いですね。

德田 それはアイテム的なコスプレじゃなく

て、合わせ方の問題じゃない?

辻󠄀 いや、だからみんなファッションの表面しか見てないんちゃう。

ーーブルーナボインのどういうところがコスプレに見えるんでしょう?

辻󠄀 やっぱり柄ちゃう。印象が強いからさ。

ーーでも、それがブルーナボインの面白さのひとつだと思うんですけど。

德田 最近さ、よく雑誌とかテレビで俳優さんとかタレントさんが、うちの服を着てくれてはるのね。それ見てもコスプレ感はないけどね…。

ーーそうですよね。でも俳優さんとかって、どういう基準で服を選んではるんでしょう?

辻󠄀 これはお付き合いのあるスタイリストさんが言うてはってんけどね、上質な素材を使ってるとか、美しい色使いをしてるとか、丁寧な加工が施されてるとか、ちゃんとつくられてる服って、画面を通しても存在感がものスゴくあんねんて。芸能界の人たちって、自分を輝かせるのが仕事でしょ。だからスタイリストさんが提案したコーディネートの中から、ブルーナボインの服を選んでくれはる人が増えてきてるみたいで。

德田 ブランドとかじゃなく、そういう部分で選んでもらえてるのは素直に嬉しいよね。でもいろいろ聞いてると一般の人って、柄物のパンツ穿くのに思ってる以上の勇気がいるみたいよ。

辻󠄀 だから試着してみてくれはったらいいのに。いつも言うけど試着はタダやからね。

ーー穿いたら意外とイケてるなって思うこと結構ありますよね。

德田 あるある。直営店で柄物は絶対に穿かないっていうお客様がいたんだけど、スタッフがおすすめして試着してもらったら、そっから毎年のように柄物を買ってくださるようになったていう話もあるしね。

辻󠄀 ボクこないだ取引先さんの店頭でちょっと接客のお手伝いしてね。あるお客さんにコーディネートを相談されたから、提案させてもらったんです。そしたら選んだ服見て「私、こんなん絶対に着ないです」って言いはるのよ。

ーーせっかく選んだのに(笑)。

辻󠄀 そう。でも、とりあえず試着だけでもしてみましょ言うてね、着てもらったんです。そしたら、その日は何かひとつだけ買おうって決めてはったらしいねんけど、試着したら提案した3点、上も下も買っていただけたからね。

德田 やっぱり試着って大事なのよ。特にパンツは穿くのと見るのとでは、だいぶ印象変わるから。こんな太いパンツちょっと…とか、テーパー掛かってるし…みたいに思ってても、実際に穿いてみたら「あれ?いいやん」みたいな感じなることしょっちゅうあるし。

辻󠄀 あとは店のスタッフさんがトータルで提案してあげたらいいと思うねんけど。柄物のパンツにはこんなトップス合わせたらいいですよ、とか。

ーーどこの服屋さんでも、そういうおすすめしてくれる店員さんって、いまあんまりいないですよね。

辻󠄀 ブルーナボインの直営店に来てください、みんな喜んで提案してくれるから(笑)。

德田 あとパンツといえば、カラーパンツのイメージがあるともよく言われるよね。

ーーそんなにたくさんありましたっけ?

辻󠄀 コレクション全体で見たらそうでもないねんけどなぁ…。

ーーですよね。これもまた印象の強さなんでしょうね。ちなみに今シーズンはカラーパンツって何かありましたっけ?

德田 ギバーパンツとルーラブーラJQパンツにイエローとレッドがある。ルックブックにも使ってるよ。

ーーあー、これは確かに鮮烈な印象が残りますね。

德田 そう思うと、昔っからちょっと市場にはない珍しいカラーのパンツをいろいろつくってきたよね。最初はプーカズボンやったかな。

辻󠄀 そうそう。德田さんが言うに言えんような色でつくってたわ(笑)。

ーー言うに言えんて、どんな色なんですか(笑)?

辻󠄀 ちょっとサンバーストされたみたいに褪せたイエローとか、水色でもグレーがかったターコイズとか、グレーでも赤みがちょっと入ってたりとか。もう20年ぐらい前やけど。

ーー当時ってカラーパンツやってるブランドって、あんまりなかったんですか?

辻󠄀 あったよ。ベネトンさんとかパーゾンズさんとか。でもボクらとは違って原色系ばっかりやったけど。あと、德田さんに言われたので憶えてるのは、何の映画やったか忘れたけど、その中でアメリカ人がチノパンを穿いてると。

德田 それ、憶えてますよ。リーサル・ウェポンのメル・ギブソン。パンツを穿いたときのお尻がめちゃくちゃカッコよかって。

辻󠄀 アメリカ人は日本人と骨格が違うから、どんなパンツ穿いてもカッコいいのよ。

德田 それはわかってるんだけど、スタイルは別として、日本人が穿いてもお尻がキュッと上がってカッコいいパンツがどうしてもつくりたかったのよ。

ーーそれでどうしたんですか?

辻󠄀 アメリカ人って、基本的にお尻に厚みがあるんです。日本人が穿いても、その厚みが出るようなイメージでパターンを引いた。

德田 だからいまでもパンツをつくるときは、お尻の丸みと位置が高くなるようにっていうのは、意識してるかな。

ーーこれはボクだけかもしれないんですけど、ブルーナボインのパンツって、裾が絞れたり、いろんな所にポケットが付いてたり、変化とかディテールが多いイメージがあるんですけど。

辻󠄀 それはね、ボクもちょっと思ってたとこがあるんです。ブルーナボインのパンツって、縫製がスゴく強いんです。で、強いとどうなるかというと、パッカリングがスゴく出る。でもそれが結果論だと面白くなくて、パッカリングの出る面白さを意識してパターンも引くし、それを工場さんにも伝えなあかんねん。

ーーどうしてなんですか?

辻󠄀 その縫い方もひとつのデザインになってるから。そこにタブ付けたり、ポケット付けたり、ボタン付けたりしていくと、真っ直ぐなパンツから新しいシルエットが生まれたりするのよ。

德田 私の場合は、たとえば太く穿いた方がバランスいいときもあれば、ちょっと絞った方がコーディネートがしまるときもあるし、外に出てしまってから窓に映る自分を見て、「あれ、なんかちゃうぞ?」って思ったときに、シルエットとか雰囲気変えられたら面白いんちゃう、と思ってディテールを付けるときもある。

ーー今シーズンのコレクションに、タブで裾を上げて留められるパンツあるじゃないですか。

德田 ピテルカーゴパンツでしょ。

ーーあのシルエットというか、裾の変化の仕方は、なかなか見たことなかったです。まくった裾を、ただボタンで留めるだけという。めちゃくちゃ斬新ですよね(笑)。

德田 あれはね、私よくパンツの裾をまくり上げるのがクセというか、意識しないでやってるときがあって。でも素材によってはまとまりにくかったり落ちてきたりするから、もっと簡単にまくった状態をキープできる方法ないかなって考えてたときに、あ、ここにタブ付けてボタンで留めたらいいんや! って。

ーーめちゃくちゃシンプルなところに正解があったんですね。

德田 そうなんです。で、実際にサンプルつくってみたら、思った以上にみなさん面白がってくれて。

ーーえ、どうなってんの!? って、最初二度見しましたもん(笑)。

德田 簡単なことなんだけどね。あんなドレープの入り方するパンツって、そうそうないし、面白いパンツができたかなって思う。あとはまだあんまり浸透してないんだけど、スラックスもここ何シーズンかは意識してコレクションに入れるようにしてる。

ーーそれは何か理由があるんですか?

德田 ブルーナボインって基本的にはカジュアルなんだけど、Gジャンとかコートとかをスラックスに合わせてもらったら、スゴくエレガントな雰囲気になるのよ。ただやっぱりスラックスっていうだけで、あんまり身近に感じない人も多いから、タックをプリーツにして、ウエスト周りにボリュームを出したりとか、ブルーナボインらしい工夫はしてるけど。そのおかげか、最近はブルーナボインのスラックスはスゴく形がいいって言ってもらえたりするので、続けててよかったなって思ってる。

ーーショートパンツも、ずーっとやられてますよね。

辻󠄀 やってるね~。でもショートパンツって、めちゃくちゃ波があって、売れないときは全く売れない(笑)。

德田 求められる丈感もそのシーズンによって全然違うしね。でもブルーナボインのショートパンツは、実際に穿くと見た目ほど短くないのよ。

辻󠄀 そうかな?

德田 だってLOVE SONGショーツも置き撮りのアイテム写真だと短く見えるけど、ルックとかでモデルさんが穿いてるの見ると、そこまで短くないでしょ。

ーー確かに。

德田 あと、ショートパンツは、春夏に冬の素材を使ったり、とにかく素材で遊んでる(笑)。

ーーレザーもありますよね。

辻󠄀 今年もやったよ。値段もお安くはないからね、展示会に出したら「こんなん誰が買うんですか?」とか言われたりするのよ。でも、ブルーナボインの直営店では、よく買っていただけるからね。

ーー直営ではよく売れるって、何か理由があるんですかね?

辻󠄀 やっぱり試着やね。おすすめして穿いてもらったら、みんな「意外にええなー」って言いはるから。

德田 レザーのショートパンツって、正直、白のTシャツと合わすだけでも、かなりのオシャレ感が出るもんね。

辻󠄀 出る出る。だからみんなもっとすすめてあげたらいいのに。販売するだけじゃなくて、お客さんの新しい扉を開けてあげるのも、店のスタッフの仕事やと思うねんけど。

ーー食べず嫌いじゃないんですけど、すすめられないと手に取らないものってありますよね。

辻󠄀 絶対ある。だから穿いてみた方がいいのよ。何回も言うけど、試着はほんまにタダなんで。

ーーでも正直なところ、いくらタダっていわれても、試着だけって実際はなかなかしにくいもんですよ…。

辻󠄀 よし、わかった! 大試着会やろ、ブルーナボインの直営各店で。もう今日は遠慮なく試着してください、何の気も遣わんといてください、みたいな。なんやったらその日は試着だけで、販売はなしでもいいし(笑)。

ーーいやいや、それはダメでしょ(笑)。試着して、欲しい人には買ってもらいましょ。あと、辻󠄀さんと德田さんがその人を見て試着するアイテムを提案してあげたりしても面白いんじゃないですか?

德田 それ、いいね。カラーパンツとかおすすめしたいもん。

辻󠄀 それ、ほんまにやりましょ。ブルーナボインの大試着会。今年中にやります! 約束です!

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