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2023.04.14
Specialpage【vol.2】
BNBのデニムが
代官山店に大集結!
ーーお忙しいところ急にすみません! 本来なら過去のアーカイブをお届けする回だったんですけど、代官山店でイベントがあるということで、急遽時間を作っていただきまして。
德田 そうなんです。4月14日から「DENIM FAIR」っていう、ブルーナボインのデニムのアイテムに特化したイベントが始まります!
ーーどんなアイテムが並ぶんですか?
德田 10年ぶりに復刻したHAPPYデニムはもちろん、定番のフェリシンデニムから加工デニムのアーカイブまで、ブルーナボインのデニム史を見ていただけるようなアイテムを揃えようかと。
辻 いま世界的にもデニムが盛り上がってきてるからね。
德田 そうそう、超直前の告知になって申し訳ないんだけど、辻さんのトークショーもあります。
ーーそれはいつですか?
德田 初日(4月15日・土曜)の13時からと16時からの2回。
ーーどんな話するんですか?
辻 デニムの話やけど、まだ何も考えてない(笑)。でもボクね、DENIM FAIRをやるって決まってから、日本人がなんでこんなにデニム好きなのかをずーっと考えてて。
ーー確かにみんな大好きですよね。
辻 それでやっと出た答えが、完成されてないからちゃうかな、と。
ーーどういうことですか?
辻 デニムって初めはガチガチやし、色落ちするし、服としてはあかん要素ばっかりなのよ。それが穿き込んでいくと、その人ならではの色落ちになったりして、どんどん自分に寄り添ってくれるでしょ。
德田 穿いてる人のライフスタイルが、そのまま滲み出るもんね。
辻 それが“わびさび”みたいな文化と同じで、日本人にもの凄くフィットしたと思うねん。昔のお猪口とかも、使い込んだらお酒が染みていって、だんだん色が変わっていってね。それを“育てる”って言うんですけど、きっとそういうのがDNAレベルで好きなんちゃうかな、日本人って。
ーーお茶の道具とかも金継ぎしたりして、大事に使い続けたりしますもんね。
辻 完全にそれと一緒。破れたらリペアしたりして。で、その面白さに世界中の人たちが気付いたんやわ。
德田 私は「藍」という色にも、日本人はDNAレベルで愛着があると思っててね。
ーーそういえば、ブルーナボインの「ブルー」にも、藍がかかってませんでしたっけ?
德田 そうそう。綴りにすると「BRU」と「BLUE」で違うんだけど、藍は古来から親しまれてきた色だし、日本のクリエーションだっていう誇りも、ブランド名に込めてる。ブルーナボインが初めてリリースしたデニムも本藍だったしね。
ーー阿波正藍ですよね。それも今回のイベントにあるんですか?
辻 31インチだけはあります。生地自体は少しだけストックしてあるので、いつか何かでカタチにしたいなとは思ってるけど。
ーーちなみにデニムジャケットで一番最初に作ったのって、どのモデルですか?
德田 ダーラデニムジャンパー。最初、Gジャンとしては丈が長すぎるって、みんなに言われたよね。
辻 言われた言われた。
德田 でもいまでは、「それがいい」って言われたりして(笑)。ただ時代と共に生産背景も変わってきてるし、縫製工場も人手が不足してるから、ダーラデニムジャンパーをつくるのが、いま凄く難しくなってきてるのよ。
ーーどんなところが難しいんですか?
辻 まず一番はポケット。Gジャンにしてもジーパンにしても、もともとはワークウェアで、いかに効率よく大量生産できるかを突き詰めてきたアイテムでしょ。だから縫製工場は完全に分担作業になってて、例えば裾には裾の、巻き縫いには巻き縫いのミシンがあって、それぞれに担当の人がいてるんです。
ーーその方が効率いいですもんね。
辻 そう。でも、ダーラデニムジャンパーのポケットって、アイロンして曲線つくって地縫い返しして、左右のカタチも合わさなあかんし生地はバイアスになってるし…って、ポケットつくるだけでお仕立てみたいな手間がかかるのよ。
德田 大量生産とは完全に真逆のね。
辻 他にも、肩のハギを巻き縫いじゃなく折り伏せにしてたり、そこにパッカリングが入るようにステッチ部分だけは裏を環縫いにしてたり、大量生産には向いてないつくり方をいっぱいしてるからね。工場としては生産ラインが止まるから、あんまりやりたくない、と。
ーーということは、もうつくれないんですか?
辻 いや、つくれないことはないけど工賃がもの凄くかかるから、ボクらの感覚で言うと、Gジャンにこの値段はちょっと…みたいな値段になる。まあ当たり前の話やけどね。電動ノコギリで大量に切れる木を、手ノコで1本ずつ切って欲しいって頼んでんのと同じやし。
德田 そこの部分をどうしていくかを工場さんとも相談しないといけないし、ダーラデニムジャンパーに関しては、この先ちょっとの間、生産できないかもね。
ーーじゃあ、DENIM FAIRにも…。
辻 それは大丈夫! 今シーズンの分までは、ちゃんとつくってあります。
德田 そうそう、今シーズンのダーラデニムジャンパーは、濃色でありながら柔らかいっていう新しい加工方法を取り入れてて着心地も最高にいいから、DENIM FAIRでぜひ袖を通してみて欲しいかな。
ーー定番以外に新作のデニムアイテムってあるんですか?
德田 ございますよ、面白いデザインデニムが。ad→justパンツっていうね。生地が2種類あるんだけど、グリーンデニムの雰囲気が凄いカッコよくて。
ーーへー、こんな色のデニムがあるんですね。
德田 イギリス軍で使われてた生地のリプロダクト。綾目の立ち方が凄く綺麗でね。このデニムがあったから、このデザインに辿り付けたんじゃないかなって思うぐらい素敵。
ーーこれ、ベルトが付いてるんですね。
德田 そう! そこが一番のポイント。両サイドからギュッと絞って穿くという。
ーーこういうディテールって、どこから着想を得てるんですか?
德田 うーん…絞りたいという気持ちから(笑)。ギュッと絞るアクションをしたかっというか…。
ーー確かに気持ちよさそうですもんね。
德田 一気にフィットするから、凄く爽快。
ーーちょっとミリタリーっぽい雰囲気もありますね。
德田 そうそう。生地との相性もいいし、ミリタリーの香りは意識したかな。あとはセンターに巻き縫いを入れることによって、クリーズ線上にアタリが生まれるのもカッコいいかな、みたいなことをイメージしながらデザインしたでございます。後ろに入るギャザーも雰囲気いいしね。男性陣もTシャツをインして穿いて欲しいかな。
ーーこのパンツも、なかなかつくるのが大変そうですね。
辻 めちゃくちゃ面倒くさいと思うよ。
德田 絞ったベルトの垂れ具合とか、絞って気持ちいいベルトの位置とかも結構計算したし、ベルトの通り具合とかも、うちのパタンナーが凄くよく考えてくれてね。実はベルトの部分、見えてるところはデニムなんだけど、中はナイロン素材になってて。滑りがいいから余計に絞りやすいという。
ーー全部デニムだと途中で引っかかりそうですもんね。
辻 何回もやり直してたもんな。
德田 デニムであって工程的にはデニムにあらずというか、5ポケットのデニムとはつくり方が全然違うからね。
辻 こんなん受けてくれる工場、なかなかないと思うわ。
德田 ありがたいお話よね。
ーーちなみに「ad→just」ってどういう意味ですか? そういう熟語があったりするんですか?
德田 ないと思うよ。私の造語なので(笑)。「ad」は「その方向へ」、justは「ちょうど」みたいな意味でしょ。その方向にジャストフィットするまで引っ張るんだ! という思いを込めて名付けた。だからアイテム名にもちゃんと「→」が付いてるでしょ。
ーー付いてますね(笑)。
德田 あとはデニムのスカートもつくりました。ピータースカート!
ーー「ピーター」ということはピーターパンツの仲間ですか?
德田 そうそう。生地も同じ。どういう想いでつくったかは、私のインスタ(@ladybrunaboinne)にネチネチと(笑)書いたので、もしご興味があれば読んでいただけると嬉しいです。
ーーそろそろお時間のようですので、最後にDENIM FAIRの日程などをもう一度確認させてください。
辻 えーっと、4月14日の金曜日から21日の金曜日まで7日間。ブルーナボインの代官山店でやります。
ーー今回は代官山店だけなんですね。
德田 関西でもやって欲しい! っていう声が多かったら、直営店をキャラバンしてもいいかなとは思ってるんだけど、いまのところは代官山店だけの予定です。そして、辻さんのトークショーは15日の13時からと16時からの2回。ブルーナボインの顧客様はもちろんだけど、デニム好きの方ならどなたでも楽しんでいただけるイベントになると思いますので、ぜひ足を運んでいただければ。
辻 よろしくお願いします。