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2023.05.16

Specialpage【vol.4】

変えたリネンと
変わったヘドリー。

ーー今年はいい季候が続いてますね。

德田 そうね。朝と晩は涼しくて。

ーー最近はゴールデンウィークぐらいから夏日になったりしてましたもんね。

辻 異常やったもんな。だから今年は服好きな人は嬉しいんちゃうかな。いろんなコーディネートが楽しめるし。

德田 シャツ1枚サッと羽織るぐらいがちょうどいい季候って、ほんとに気持ちいいよね。

ーーリネンシャツとか。

辻 上手に話、持って行くなー(笑)。

ーー長いことやらせてもろてますので、この対談も(笑)。

辻 リネンシャツはね、3シーズンぐらい前かな? 使ってる麻を本格的に変えたんです。原料になる麻の産地はヨーロッパ、それを中国で紡績して糸にする。

ーー全部をひとつの国ではできないんですか?

辻 いまね、市場に出回ってるリネンって、紡績はほとんどが中国なんです。生地屋さんが言うてはったからね、フランスで織ってます、ベルギーで織ってますとかってよく聞くけど、ヨーロッパには紡績までできる工場自体が、もうほとんどないって。

ーーそうなんですか。

辻 もの凄く小さい規模で、手織りみたいな感じでやってるところはあるかもしれんけど、流通に乗せられるような生産背景はない、と。実際に現地に行って見てきてはるからね。

ーーじゃあ、ヨーロッパの麻を中国で紡績して、生地はどこの国で織ってるんですか?

辻 日本!

ーーえ、そうなんですか!?

德田 そうそう。しかも京都で。で、その生地を滋賀県で晒(さら)してる。

ーー滋賀!? それもまた意外です。

德田 日本で晒といえば滋賀。近江晒っていう伝統技法もあるぐらいだから。

ーーへー、知らなかったです。

辻 昔は琵琶湖の周りで麻を織ったり紡績もしてたんですよ。

ーー環境が向いてたんですか?

辻 そうみたい。麻って湿気を含んで強くなる性質の糸なんですね。だから琵琶湖周辺の湿気の具合がちょうどよかってんて。

ーーいまはもう織ったり紡績したりはしてないんですよね。

辻 そやねん。いまはもうやりたくても、メイドインジャパンでできないものがどんどん増えてくる。

德田 でも、このリネンは変えてよかったよね。

辻 ほんまによかった。

ーーどういうところがよかったんですか?

辻 ボコボコッとした麻本来の風合いを、より一層感じてもらえるようになったんちゃうかな。生地がギュッと詰まってて、柔らかさの中に独特の硬さもあって。ただ、最後の風合い出しも、わざわざ手間掛けてそういう風に仕上げなあかんし、大量生産には向いてないけど。

ーー着込んでいくとどんな風合いになるんですか?

辻 生地の角が取れて柔らかい雰囲気になる。でも、麻本来のコシは残る。そこがポイント。麻って本来は、もうちょっと太い糸で打ち込み本数を少な目で織るっていうのがド定番の企画なんです。でも、ブルーナボインの麻は、糸も細いし打ち込みも多いし、わざわざつくらないと、この世には存在しない素材。

ーーこの麻が使われてるアイテムって、今シーズンは何がありますか?

德田 定番のリネンシャツと、両サイドにポケットが付いたスタンドカラーのスナフタイプでしょ。それとグランパリネンシャツ

ーーおじいちゃんから譲り受けたシャツをイメージしたという。

德田 そうそう。ちょっとゆったりとしたシルエットの。あとはロンTの形をしたシャツ(リネンロンT)がある。

ーー毎年、新しいカラーがでてますけど、今シーズンは?

德田 イエロー。ちょっとマスタードっぽい色だけど。これは初夏の日差しに映えるので、これからの季節にちょうどいい! 

ーー今シーズンのテーマは摩訶不思議じゃないですか。なにか素材で摩訶不思議なものってありますか。

德田 ございますよ。ヘドリーポロに使ってる生地が。着たときのフワッとした感じとか、見た目からは想像できない軽さとか、とにかくいろいろ面白い。

ーーどんな素材なんですか?

德田 もともとはシースルーなのよ。

辻 メンズカジュアルには、まあ使わへん素材。

德田 シボシボ感があってね、これでポロシャツつくったら、めちゃくちゃ摩訶不思議な空気感出るんちゃう!って飛びついた素材なんだけど、到底1枚だけでは使えないから、裏を付けたのね。

ーーあ、この裏側の素材は、また別のものなんですね。

德田 そうなの。これがまた難しくて…。永久にひっついたままだったら、そんなに難しくないんだけど、水溶性の加工でひっつけて、最後の加工で表の生地と離れるっていう手法を、今回はやっていただきまして。

ーーひっついたままだとダメだったんですか?

德田 この摩訶不思議なふんわり感が出ないのよ。あと、実は表の素材って、タテヨコに伸縮する素材なのね。たぶんこれを手掛けた人は、体にフィットさせるためにシャーリングを入れはったと思うんだけど、裏地を付けるってことは、そのゴムゴムに伸びる要素をなかったことにするのと同じという。でもそうしてでも、とにかくまずは、この素材の摩訶不思議感だけを楽しんで欲しいという気持ちから、つくらせていただきました。

ーーこの変わった素材感は、なかなか文字で伝えるのが難しいですね。

德田 そうねぇ…。うーん、立体版のリップストップ?ワッフルにも見えるし…。

辻 いや、シアサッカーちゃう、現代版の。素材はポリエステルやけど。まあ、とにかく変わった素材。でもこの生地つくるの、だいぶ苦労しはったと思うよ。

德田 ホントに。表が接点の少ない生地なので、裏地とボンディングするのにだいぶ苦労されたみたい。現場の生地屋さんにも縫製工場さんにも、ホントにいろいろ協力していただいてます。

ーーこれ、アイテムとしてもちょっと不思議な感じありますよね。ポロシャツなのにフルオープンという。

德田 被るより羽織る方が、ふんわりとした素材感を楽しんでもらえるかと思って。

辻 これ1枚だけサッと羽織るだけでも、スタイリングが十分キマるしね。

德田 中には無地でもプリントでもTシャツ着てもらって、下はデニムでもバッチリだし、これからだとショートパンツも可愛いと思う。

辻 このシャツは男性からも女性からもめちゃめちゃ好評。こないだデニムフェアで代官山店に行ったときも、ジーパンおすすめしてんのに、このシャツばっかり売れていくねん(笑)。

德田 とてもブルーナボインらしいアイテムよね。

ーー話きいてたら、ちょっと袖を通したくなってきました(笑)。

辻 なんぼでも通してくださいよ。いつも言うてるやんか、着るのはタダですから、って。ホントに面白い素材やと思うし、服好きな人はいっかい羽織ってみてください。

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