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2023.06.19
Specialpage【vol.5】
日本一!? 充実のショートパンツ。
ーーショートパンツのラインナップ、凄すぎませんか?
德田 そうかな? そんなにあったっけ?
ーー今年の春夏のモデルだけで12型ですよ、12型! しかも色違いとかじゃなくて、生地とかカタチが全部違いますから。
辻 クレイジーやな。
ーーはい。でも、つくったの自分たちじゃないですか(笑)。
德田 ほんまやわ(笑)。企画してた去年の夏、暑かったからかな~。
ーーそこですか!? たぶん、日本で1番ショートパンツをつくってるブランドだと思うんですけど。
辻 そんなんアウトドアブランドとか、もっとつくってるんちゃう?
ーーアウトドアブランドは、ファッションというかギアに近いので、目的が違うじゃないですか。ファッションブランドでは絶対に日本一だと思いますけど。
德田 そんなことないって。まあ、4番目ぐらいちゃう。そう考えたら辻さん、夏物の企画が始まったら、いつも最初に「この生地、ショートパンツにイケるわ」って言ってる気がするかも。
辻 言うてます(笑)。
ーーもともとショートパンツが好きなんですか?
德田 そうなんです。だからブルーナボインを立ち上げてスグぐらいのときからやってるもんね。余談なんだけど私、幼稚園とか小学生のとき、真冬でも素足にショートパンツ穿いてる子供だったんです。
ーーいまでもいてますよね、元気ハツラツな子供。めちゃくちゃ寒そうなんですけど、当時は寒くなかったんですか?
德田 いま思うと寒かったと思うけど、子供やし風の当たる面積が小さいから、寒いかどうかわからなかったんちゃう。
辻 大人になってからも穿いてなかった? ボク、德田さんが真冬に素足にショートパンツ穿いてるの見たことあるけどなぁ。
德田 それは若かりし頃の話でしょ。ハイソックスにロングブーツ穿いてね。そんな感じだから、ショートパンツに対する愛着は、異常にあるかな。
ーーショートパンツをつくるときって、何から考え始めるんですか?
德田 素材かな。普通だったら春夏の服には使わないであろう肉感があったりとか、できるだけショートパンツっぽくない素材を選ぶところから。
辻 冬のボリューミーな素材を夏に穿けるというのは、ショートパンツならではだと思うんです。どんなゴツい素材でも暑くないし。
ーー風通しがいいからですか?
辻 そうそう。パターンさえ間違えなかったら、もの凄く風通しがいい。
ーー今シーズンのアイテムだと、どのあたりですか?
德田 ゴブリンショーツとかラケシスショーツかな。ゴブラン織りとツイードっていう、まったく夏っぽくないけど、もの凄くエレガントな素材を使ってる。どっちもショートパンツらしからぬボリューム感があるから面白いよ。
ーーちなみに、ショートパンツって、春夏のどのタイミングで穿き始めるんですか?
辻 太陽を眩しく感じたら。
ーーなんかカッコいいですね(笑)。
德田 まあでも、6月ぐらいからがいい季節じゃないかな。
ーーショートパンツって穿く人はめちゃくちゃ穿きますけど、穿かない人はまったく穿きませんよね。
德田 絶対に穿かない人っているよね。でも、ファッション好きな人は取り入れてる人の方が多いんじゃない? 丈のバランスとかで雰囲気変えられるし、オススメなんだけど。
ーーどうコーディネートしたらいいのか、わからないっていうのもあるんじゃないですか。特にトップスをどうするかとか。
德田 ブルーナボインのショートパンツって、結構ファッショナブルに仕上げてるから、Tシャツ1枚でもお洒落感は出るけどね。
辻 それこそリネンのシャツと合わせてくれはったらいいんちゃうかな。
德田 それは1番のオススメ。もともとブルーナボインとしては、夏に敢えてウォーム感のある素材のショートパンツを穿いて、上はリネンのシャツっていうスタイルを、ずーっと提案してきたから。
辻 暑かったら袖まくったらいいしね。袖口のところにボリュームが出て、それもまたいいアクセントになるから。
ーーリネンは見た感じも涼しげですしね。
德田 夏に長袖のシャツを上手に着てる人見たら、うわカッコいい! って思ってしまうもん。
辻 だからやっぱり合わせ方だと思いますよ。トップスには、ちょっとかしこまったアイテムを持ってきた方が落ち着くというか。
ーー無邪気すぎない方がいいってことですね。例えばビーチサンダル履いたりとか。
辻 ビーチサンダルがダメってわけじゃないけど、街なかでリゾート感が出過ぎるでしょ。
ーー確かに。
辻 だからTシャツでも1枚で着るんじゃなくて、下にタンクトップ着て裾の景色をつくったりとか、2枚重ねて着るとか、そういう工夫をした方がコーディネートがまとまるんちゃうかな。
德田 あと、ショートパンツって、靴もいろいろ楽しめるからね。
辻 そうそう。革靴と合わせてもいいし、ハイカットのゴツめのスニーカーとかも面白いし。ちょっとレトロなバスケットシューズ履いても可愛らしいし。
德田 そういえば私も今年、ショートパンツに合わせようと思ってハイカットスニーカー買ったわ。
辻 靴といえば、ブルーナボインの直営店でムートンの中敷きを扱ってるんです。
ーームートンって、羊の毛皮のムートンですか?
辻 そう。夏にムートン? って思われるかもしれんけど、これがめちゃくちゃ快適。もうビックリするよ。
ーー暑くないんですか?
辻 まったく。汗を吸って外に逃がしてくれるから、足がずっとサラッとしてるし。
ーー裸足で履いても大丈夫なんですか?
德田 ムートンを入れるんだったら、むしろ裸足の方がいい。保温力が高いから靴下を履くと暑くなっちゃう。
辻 冬は暖かくて夏は快適。見た目がモコモコなので、夏場は皆さん敬遠しはるけど、いっかい使ったらやめられへんよ。
辻 バッチリちゃうかな。
德田 靴もだけど、ショートパンツはソックスでも結構遊べるよね。
辻 遊べるね~。
ーー思いっきり見えてますもんね。
德田 そうそう。ソックス変えるだけでも雰囲気ガラッと変わったりもするし。
ーーそれは気軽でいいですね。ブルーナボインって、ソックスもショートパンツに負けず劣らずなぐらい揃ってますよね。
辻 はい。刺繍が入ったのから、ボリュームのあるヘビーウェイトのタイプまで、めちゃくちゃ揃ってます。
ーーちなみにお二人は、この夏、どのショートパンツを穿くか、もう決めてたりするんですか?
德田 私はプロティアンショーツかな。アランニットみたいなルックスなのに、実はカットソー素材という。
ーー摩訶不思議な見た目ですよね、あれは。
德田 でしょ。プロティアンシリーズはスエットもつくったので、ホントはセットアップで着たかったんだけど、なかなかタイミングが合わなくて。
ーー朝晩は未だに結構涼しいですもんね。
德田 でも、前回お話させてもらったヘドリーポロとかグランパリネンシャツと合わせたら、絶対にハマると思うので、夏空の下で穿ける日が来るのを楽しみにしております。
ーー辻さんはどれ穿きますか?
辻 レザー(ゴートヌバックショーツ)やね。
德田 革のショートパンツって、ホントにカッコいいもんね。汗かいてシミになったらどうしよって、ちょっとヒヤヒヤしてしまうけど。
辻 銀スリ仕上げのゴートヌバックやからね。
ーーシミになったら取れないんですか?
辻 取れませんね。でも、それでいいんですよ。革にシミが付くのは、デニムが色落ちするのと一緒なんです。それをダメっていわれたら、この雰囲気出されへんもん。
ーー汚れとか気にしないで、自由に穿いた方が様になるってことですね。
辻 おっしゃる通りです。綺麗に穿いてもらったら、それはそれで雰囲気あるけど。
ーーあと他に花柄のショートパンツもありましたよね。
辻 ありますね。ストレーフラワーシリーズの。あの花柄は、江戸時代にヨーロッパから渡ってきた古布に描かれてたお花を、当時と同じ雰囲気で再現した柄なんです。
德田 シルエットもサルエル型で面白いよね。
辻 ボリュームがあるから、Tシャツ1枚で合わすよりは、それこそリネンのグランパシャツとか着てもらったら、もの凄くハマると思いますよ。
ーーなかなか12型全部をご紹介するのは難しいので、全貌は是非店頭で、ということで。
德田 直営店にはアーカイブもあったりするので、もっと幅広く見てもらえるかも。
ーーやっぱり日本一なんじゃないですか。
辻 いやいや。まあ船場(事務所のある界隈)では1番やと思うけど(笑)。